散布図に近似直線を引いて「R² = 0.9974」と表示されたものの、この数字が何を表すのか分からない。CORREL関数で相関係数を求めたら別の値が出て、どちらを見ればいいのか迷った。結論から言うと、R²(決定係数)は「近似直線がデータにどれくらい当てはまっているか」を0〜1で表す値で、RSQ関数で求められます。CORREL関数の相関係数は「2つの数値が同じ向きに動くか、逆向きに動くか」を−1〜1で表す値で、2乗するとR²と一致します。近似直線の基本は近似直線をy=ax+bの式で表す方法|エクセルグラフ、予測の方法は近似直線の式をセルで使って予測値を求める方法|SLOPE・INTERCEPT・FORECAST.LINEAR・TRENDで解説しています。
決定係数R²とは何を表す値か
R²は、y(予測したい値)のばらつきのうち、近似直線で説明できる割合を表します。1に近いほどデータが直線の近くに並んでいて、0に近いほど直線ではほとんど説明できません。たとえばR²が0.9974なら、yのばらつきの約99.7%をこの直線で説明できる、という意味です。
どこからが「当てはまりが良い」かは、扱うデータの性質によって違います。実験データのようにきれいに揃うものと、人の行動を扱うデータでは、同じ数値でも評価が変わるため、決まった合格ラインはありません。
RSQ関数でR²を求める方法
RSQ関数は、yの範囲、xの範囲の順に指定します。次のデータ(A1:C9、B列=広告費、C列=売上)で求めてみます。このデータは近似直線の式をセルで使って予測値を求める方法|SLOPE・INTERCEPT・FORECAST.LINEAR・TRENDと同じものです。
| A(月) | B(広告費) | C(売上) | |
|---|---|---|---|
| 2 | 4月 | 10 | 118 |
| 3 | 5月 | 12 | 131 |
| 4 | 6月 | 15 | 152 |
| 5 | 7月 | 18 | 170 |
| 6 | 8月 | 20 | 186 |
| 7 | 9月 | 22 | 193 |
| 8 | 10月 | 25 | 214 |
| 9 | 11月 | 28 | 238 |
B列=広告費(x)、C列=売上(y)として、次の数式を入力します。
=RSQ(C2:C9,B2:B9)
結果は0.9974です。散布図に近似直線を引き、近似曲線のオプションで「グラフにR-2乗値を表示する」にチェックを入れたときの値と同じになります。
CORREL関数で相関係数を求める方法
CORREL関数は、2つの範囲を指定すると相関係数(r)を返します。B列=広告費、C列=売上です。
=CORREL(B2:B9,C2:C9)
結果は0.9987です。この値を2乗すると0.9987×0.9987=0.9974となり、RSQ関数の結果と一致します。つまり、RSQ=CORRELの2乗の関係です。なお、CORRELもRSQも、xとyの範囲を入れ替えても同じ値になります(傾きを求めるSLOPE関数は入れ替えると値が変わります)。
RSQとCORRELの違いと使い分け
2つの違いは「向き」の情報があるかどうかです。次の3つのデータで比べます。
| データ | CORREL(相関係数) | RSQ(決定係数) | 読み取れること |
|---|---|---|---|
| 広告費と売上 | 0.9987 | 0.9974 | 同じ向きに動く。直線がよく当てはまる |
| 気温と暖房費 | −0.9992 | 0.9983 | 逆向きに動く(気温が上がると暖房費が減る) |
| 弱い関係の例(仮のデータ) | 0.5383 | 0.2897 | 向きは正だが、直線ではあまり説明できない |
気温と暖房費の例では、CORRELはマイナスになり「逆向きに動く」と分かりますが、RSQは2乗するため符号が消えて正の値になります。向きを知りたいときはCORREL、直線の当てはまりを知りたいときはRSQと使い分けると分かりやすいです。
グラフのR²とRSQの値が違うときの原因
- 近似曲線が直線ではない: 多項式や指数などの近似曲線を選んでいると、グラフのR²は選んだ曲線に対する値になります。RSQやCORRELは直線の当てはまりしか表さないため、値が一致しません。
- 切片を0に固定している: 近似曲線のオプションで切片を指定すると、R²の計算方法が変わり、RSQの値と一致しないことがあります。
- 範囲が違う: グラフに使っているデータと、関数に指定した範囲がずれていないか確認します。範囲のずれでエラーが出る場合は#N/Aエラーが出る原因と対処法(VLOOKUP編)も参考になります。
決定係数と相関係数を使うときの注意点
- 値が高くても原因と結果とは限らない: 相関が強くても、片方がもう片方の原因とは限りません。繁忙期に広告費も売上も増えた、という見かけ上の関係もあります。
- データが少ないと当てにならない: 数点しかないデータでは、たまたま直線に乗って高い値が出ることがあります。
- 外れ値に影響される: 1点だけ極端に離れた値があると、R²やrが大きく変わります。散布図で形を確認してから数字を見る習慣を付けましょう。
- 直線以外の関係は捉えられない: 山なりの関係などは、直線の当てはまりが低くても関係自体は強いことがあります。
決定係数R²・RSQ関数・CORREL関数のまとめ
R²は「近似直線の当てはまり具合」で、=RSQ(yの範囲,xの範囲)で求めます。相関係数は「同じ向きか逆向きか」で、=CORREL(範囲1,範囲2)で求め、2乗するとR²になります。予測に近似直線を使う前に、R²で当てはまりを確かめる流れで使いましょう。条件で絞り込んだ集計と組み合わせたい場合は、サイトの人気記事エクセル関数で条件付きで中央値(MEDIAN)を計算する方法もあわせてご覧ください。





